新機能導入の背景
世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、茶道業界は窮地に立たされています。お稽古場となる茶室は狭く、茶道具を介して濃厚接触の可能性も高いため、お稽古の現場では今までのやり方に変化が必要な局面を迎えています。そうした中で感染リスクを回避しながら従来のお稽古に類似する体験を実現して茶道関係者が安心・安全できる環境を提供するために、新機能をリリースするに至りました。
これからの茶道業界のために
茶道学習支援アプリ「MatchaNote」は、2015年秋のリリース時から、プロダクトにより解決すべきテーマとして、ITを活用した茶道業界のユーザー体験向上を目指してきました。ユーザ数は約1万人となっており、お稽古登録・共有や茶道事典などの機能を通して、400年以上の歴史を持つ茶道と最新のテクノロジーを活用した世界最先端のユーザー体験を茶道業界において提供しています。
昨今、“DX(デジタルトランスフォーメーション)”の流れが各産業に到来しており、オンライン教育も一般化してきました。MatchaNoteが目指すのは、一過性のソリューションやツールを提供することではなく、新時代にあるべきサステナブル(持続可能)な茶道の学習体験の構築です。
今後の茶道学習に欠かせないデジタル活用、MatchaNote新機能「VRお稽古」により実現する茶道体験
従来のお稽古体験は、茶道教室で対面で先生から指導をしてもらうことでした。自宅で復習する環境は整っていません。そのため学習できる頻度は限定的です。お稽古の最中は写真やメモをとることは難しいため、復習をするためには自宅でお稽古を思い出しながらメモをすることが一般的です。
「VRお稽古」の機能によりこの学習構造が変わります。本機能では一つのお稽古を100-200程度のステップに分割した3DCGを用意しています。3DCGは360度視点でのウォークスルーも可能です。
3DCG機能により自由な視点でお点前内容を確認することができます。従来のメモや写真だけでは実現が不可能な視点からお稽古の全容を確認することでお稽古の理解を高めることができます。
また3D空間の任意のポイントに自分のメモを投稿することもできます。従来自分で復習メモを付けるときは、5W1Hを書き添えてからメモをする必要があり、自分のメモがお点前のどのポイントを指し示しているのか表現するのが大変でした。本機能ではメモ行為自体のハードルを下げることで学習体験を深めることが可能です。
本機能により自宅で茶道を復習する環境が整い、新型コロナウイルス環境下においても非対面非接触で茶道体験との接点を保つことが可能となります。
茶道とITの融合は、茶道が本来もつ風情や世界観を壊すという意見もあります。しかしこの時代環境の中で茶道のような伝統文化においてもITとの融合は不可欠であると確信しています。今後も、新機能の開発に加え、業界初で茶道アプリを提供してきた中で培ったノウハウによる強固な体制の下、サービスを随時バージョンアップしてまいります。また、MatchaNoteではアフターコロナにおける茶道業界の継続と、安心・安全な茶道体験をサポートすべく、業界関係者の皆様と連携し、全力でこの事態に取り組んで参ります。