皆さんはバーチャルマーケットをご存知でしょうか
バーチャルマーケットはVRChatというVRプラットフォーム内で行われる世界最大のVRイベントです。バーチャルマーケットではVR空間上で3DCGやリアル商品の売買、VR展示、VRライブ、VRアトラクション等を体験することができます。
そんなバーチャルマーケットですが現在、5回目の開催となる 「バーチャルマーケット5」が開催されています。バーチャルマーケット5ではディズニーや東宝、ビームスなど73社の企業と1100サークルを超えるクリエイターが出展をしています。
今回はそんな、全世界からユーザーが参加する「バーチャルマーケット」に関してのお話を、バーチャルマーケット主催の動く城のフィオさんと広報担当の大河原さんにお話をお伺いしました。
― 本日はお時間をお取りいただきありがとうございます。簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか ―
動く城のフィオさん(以下、フィオ):「バーチャルで生きていく」という目標を掲げて、バーチャル空間に経済圏と生活圏を作ることを目指している、現実では妻子持ち、バーチャルでは美少女ドワーフな、VR大好きおじさんです。鬱病をきっかけに引きこもりになって、人生のどん底にいた2017年末にVRに出会い、バーチャルYoutuberとして転生。バーチャル空間上での様々な企画を中心に活動しています。現在は、フィオとして、バーチャル上・完全リモートの仕事で物理現実の肉体と家族を養っています。
バーチャルマーケット主催
動く城フィオさん
(株式会社HIKKY 取締役CVO)
twitter / youtube
大河原あゆみさん(以下、大河原):株式会社HIKKYにて営業と広報を担当しています大河原あゆみと申します。新卒で5年間アナウンサー業をしていましたが、その時からゲームがすごく好きで、今のHIKKYの前身となる会社に入社して制作とプロモーションを幅広く担当しました。アナウンサーは幅広い情報を伝える職業なのですが、もっと自分の好きなことを専門的に伝えていくということがしたいと思い現在の広報という職につきました。VRというコンテンツはまだまだ一般的ではないので、現在のスマートフォンのようにみんなが当たり前にVRを日常で使えるようになるまで分かりやすく世の中に広めていきたいと思っています。
大河原あゆみさん
(株式会社HIKKY所属)
twitter / youtube
― それでは簡単にバーチャルマーケットとはどういったイベントかをお聞きしてもよろしいでしょうか ―
大河原:バーチャルマーケットは世界最大のバーチャルイベントです。世界中から70万人を超える方を超える方が来場しています。ヘッドマウントディスプレイがなくても、ある程度のスペックのPCとネット環境があれば世界中どこからでも24時間アクセスができます!バーチャルマーケットでは、バーチャル上で体になるアバターや家やギターなどの3Dデータだけでなく、リアルの食べ物やぬいぐるみなどの商品をバーチャル空間上で3Dデータを見て実際に購入する事ができます。本イベントは11月にVRアワードのマーケーティング部門で最優秀賞をいただきました。
― 実際に体験させていただきましたが、現実では大きすぎて手にとれないようなものもVRであれば手に取って確認でき、とても便利ですね。本当にリアルで買い物をする感覚でバーチャル上でもお買い物体験ができました!バーチャルマーケット開催のきっかけはどんなことだったのでしょうか ―
フィオ:バーチャルマーケット1を開催した2018年8月には「アバター向けに作られた3Dモデル」という商品はまだ多くはありませんでした。2018年6月頃からアバター向け3Dモデルを自作して販売する、という流れが生まれ、それを加速させることでバーチャル空間上に経済圏を作りたい、と思ったのが開催のきっかけです。
バーチャルマーケット2以降は、その開催を通じて「バーチャル空間を発展させ、豊かにする」ことを開催理念としています。アバターを探しているプレイヤーさん、自分の作品を発表したいクリエイターさん、VR分野に興味がある企業さんなど、様々な方にとって「きっかけ」となるようなイベントでありたいと思っています。
― バーチャルマーケットに関して、開催までに苦労したことなどありましたでしょうか ―
フィオ:毎回色んな課題が見つかっては改善をして、という形で進化をしているのですが、一方で挑戦を続けているので苦労はずっと無くならないですね。笑
人力でやっていた入稿物チェックや配置を自動化したり、出展者さんのスペースを可能な限り再現する為にチェック期間を複数回設けるようにしたり、英語圏のユーザーさんでも楽しめるように他言語対応をしたり…。
苦労はしますが、いつも必ず、志を同じくする仲間が集って皆で課題を解決しています。同じ夢を見てくれているスタッフへの感謝を、いつも忘れないようにしています。また、何よりも、Vketを楽しんでくれる来場者さんの笑顔が宝物です。
― なるほど、来場者の笑顔のために、挑戦と改善を繰り返した結果今のバーチャルマーケットがあるのですね!そんなバーチャルマーケットに関して、これまでの手応えをお伺いできればと思います! ―
大河原:バーチャルマケットでは広告等は出しておらず、ほとんど口コミで広がっていったのですが、今では1100人を超える世界中のクリエイターの方が参加し、企業も多数出展頂けていることに確かな手応えを感じています。
また、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社様や、東宝株式会社様といったワールドワイドな企業が「バーチャルを通してビジネス的にも表現の幅を広げたい」と思っていただけている事が大きな変化だと考えています。2020年秋には日本企業がロシアの市場に向けて化粧品をオンライン展示・商談できるイベント “Beauty Fair Japan 2020 on the Web” のイベント設計・開発・制作を全面的にサポートを行いました。ありがたい事に今では様々な企業さんからVRについてのご相談をいただいております。
― どんどんとVRが日常に溶け込んできていてワクワクしますね!バーチャルマーケットに関して今後の展望などを伺いできればと思います ―
大河原:バーチャルマーケット5ではずっと日本語表示だったのですが、英語対応をして、より世界中の方に楽しんでいける形にしました。今後もバーチャルと現実世界を融合したより豊かな生活圏・経済圏を作り続けていきたいと考えています。
フィオ:私の大きな目標は、バーチャルで生きていける社会を作ることです。
将来的には、人々は一つの物理現実・無数のバーチャル現実を行き来しながら生活をするようになっていくと考えています。(既に、バーチャル現実で働いたり、所属コミュニティのほとんどをバーチャル現実に持っている人もいます)
そのような社会を作り、バーチャルな現実で働く・生きるという選択肢が当たり前になるくらい、盤石な経済圏と生活圏・エコシステムを作りたい。バーチャルマーケット、Vketを通じて、そのような社会の実現を少しでも早められるよう、今後も色々なことにチャレンジしていきたいと思っています。
― バーチャルとリアルが融合した新たな日常は楽しそうですね!それが実現したら、私たちの生活のちょっとしたことにもエンタメが入ってきて、より楽しくより便利になると思います!
まとめ
今回はバーチャルマーケット主催の株式会社HIKKYさんにお邪魔をさせていただきました!
インタビューではバーチャルマーケットを実際に体験させていただきましたが、今までにない日常の可能性を感じました。次回のバーチャルマーケット開催の際には、ぜひ参加をしてみてください!
【バーチャルマーケット】