「野菜食べなさい!」
子供が野菜を嫌いなのは世界中のお母さん、お父さんの悩みのタネだと思います。
筆者の妻は子供に野菜を食べさせるために様々な手法を試みました。
例えば、
「椎茸食べたらおやつにケーキ食べようね」
「人参は目に良いからもっと食べようねー」
「牛乳飲むと背が伸びるから飲みなさい」
などなど試みましたが、楽しく自ら進んで野菜を食べさせるのは大変難しいことでした。
というか無理でした。
ゲームの時間をご褒美にすると嫌なことも我慢してやることがあったので、やむなく、あまり良いことでは無いなと思いつつも、ご褒美としてゲームの時間を与えてしまうこともありました。
そこで、子供の食事を楽しくゲームライクにする事でもっと食事に集中することができるのではないだろうかと考えた結果生まれたのが、Yumitです。
Yumit(ヤミット)
<出典元:https://www.yumit.io/>
■Yumitとは?
<出典元:https://www.yumit.io/>
Yumitは子供のために開発された、お皿とゲームアプリが連動した食事モチベーションを向上させるトレーです。
アルゼンチンのクリエイティヴ企業Wundermanが開発したこの不思議なお皿は、LEDが中央のお皿の周りを囲むように配置され点滅や、色を変えたりアニメーションすることができます。また重量を感知するセンサーがトレーの下に搭載されています。
子供がお皿の食事を食べるとLEDの点滅アニメーションが始まります。
とても目を引くので、子供は自分の食事行為がインタラクティブになっている事に気が付きます。
食べれば食べるほどに反応するので、小さなお子さんなら反応する良い仕掛けになっています。
また、YumitはBluetoothでスマートフォンと連携できます。そのため重量が減ったことを時間経過とともに計測することで、最初の咀嚼から、次の咀嚼までの時間を推測し、食べることに飽きているかどうかなども気がつくことが出来ます。
■食べた分だけバーチャルエネルギーに変換
Yumitが面白いのは、食べた事を重量が減ったとみなし、それをデータ化する仕組みにあります。
その食事データをゲーム内で利用可能なポイントにしてアプリ内と連携できる事が最大の特徴です。
これが食事のゲーミフィケーション化です。
YumitはAPIをオープン仕様にしているので、様々なアプリが対応することが可能です。
このバーチャルエネルギーに対応したアプリの第一弾が「Mr.Bingley」です。暗い森から女の子を脱出させるゲームになっています。
こちらは日本のアプリストアからはダウンロードできないので、内容は確認出来なかったのですが、動画を見ると、食事を取ることで得られたバーチャルエネルギーが、女の子のとなりにいるビングリーさんというキャラクターのエネルギーになるようです。
動画を見る限りですが、食事とゲームの素晴らしいインタラクション(相互作用)だと感動しました。
もし日本でできるなら、仮面ライダーシリーズや、プリキュアシリーズのゲームと連動すると、子どもたちがより食事を楽しく取れるようになってお父さん、お母さん達の救世主となるかもしれませんね。
■「Yumit」におけるゲーミフィケーション要素のまとめ
・何かを食べる毎にLEDが光るという即時フィードバックがある為、もっと食べたいという気持ちが促進される
・ちゃんと食事をした結果を受けて、ゲームアプリ内の報酬(仮想エネルギー等)として受け取れる
・いつ、どのくらい食べているかをログとして可視化される
■記事まとめ
食事とゲームのインタラクションは一見相容れない要素だと思ってしまいますが、YumitはITの活用によって食事をゲーミフィケーション化できることを示したのではないでしょうか?
トレーというガジェットが必要ですが、もしアプリや、特別な仕掛けが無く同様のことが可能になるなら、食事のゲーミフィケーションはまだアイデアの余地がありそうですね。
※日本からアプリのダウンロードは出来ないようです。
iOS https://itunes.apple.com/us/app/mr-bingley/id1094129494?ls=1&mt=8
木村義彦
BlockChainGame Info / Twitter
ブロックチェーンゲーム情報メディア『BlockChainGame Info』の編集長を担当。ブロックチェーンゲームの最新情報、DAppsの最新動向をお届け中