スマホ絶ちで、ポイントがもらえる学生向けアプリ「Hold」の事例

私たちの生活には欠かせないものとなっている、スマートフォン。

常に進化し続ける性能と、便利なアプリは生活をより豊かにしてくれていますが、

その一方で懸念されているのが「スマホ依存症」です。

デンマークのビジネススクールに通う3人の学生がこの事を問題視し、ノルウェーの学生向けに2014年に開発したアプリ「Hold」の事例をご紹介します。


HOLD

<出典元:https://www.appp.la/mobiles/727>



■概要

本アプリを立ち上げると、他のスマートフォンの機能が使えなくなり、必然的にスマートフォンを利用することができなくなります。

アプリを立ち上げ後、20分が経過するごとに報酬としてユーザーは10ポイントを獲得でき、このポイントは、飲み物やお菓子、映画のチケットなどと交換ができるという仕組みです。

アプリの利用開始から、3か月で5万DLを達成するほど、学生には浸透した模様です。



■スマホ絶ちの効果

スマートフォンを使うほど、依存性は増し、ナルシズムや神経質などになりやすいという研究結果も出ていたり、スマホ絶ちはこれらに効果があるといわれておりますが、その他にも下記のようなメリットがあるとのことです。

・メリット①:スマートフォンを見ないで勉強に取り組んだ場合は、62%も効率が良くなる

・メリット②:スマートフォン使用頻度が低い学生ほど、学んだ知識や情報をクリアに思い出すことができ、テストでも高得点をとっている



■世界的大手企業も「Hold」パートナーに

世界的大手企業のマイクロソフト、コカ・コーラやスカンジナビア航空、デンマーク大手銀行のダンスケ銀行などが賛同し、「Hold」パートナー企業として協力を得ているそうです。

特にデンマーク銀行の協力により、アプリを継続して使うことで奨学金給付のチャンスもあるというメリットを出せたことが、本アプリが学生に浸透した大きな理由の一つになっていると思われます。



▼「Hold」におけるゲーミフィケーション要素のまとめ
・「スマートフォンを見ない」という制約に対するインセンティブとしてポイントを付与した事でスマートフォンを見ないという動機が生まれた。
・ポイントは飲み物やお菓子、映画のチケットなどの報酬と交換ができる事でモチベーションが向上した
・パートナー企業の協力により奨学金付与のチャンスがあるというインパクトのある報酬を打ち出せたことで学生に広まった

まとめ

ゲームのジャンルに「放置ゲーム」というものがあります。


放置ゲームは、その名の通り「放置」するのが主なゲームです。キャラクターに指示を与えると、動作を開始し、作業が終わるまで勝手に行動します。

作業は内部データ、または大本のサーバーで動かしていますので、スマホやPCの電源を落としても作業し続けるのです。

そして、再びゲームを開始するとキャラクターは作業を終えており、レベル上げや素材回収の成果だけをいただくことができるというわけです。

<出典元: https://app-best.jp/articles/game-description-automaticgame/#:~:text=%E6%94%BE%E7%BD%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%90%8D,%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E3%81%97%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 >

本アプリはまさしく、究極の放置ゲームとは言えるのではないでしょうか。ゲーム内の素材ではなく、現実社会で活用できるポイントが蓄積されることで、スマートフォンをより放置したくなることでしょう。

一方で、ポイントが溜まっているかを確認したくなる人もいるでしょうが、どうか安心して放置してください。何度もアプリを見に行くことはスマホ絶ちから逆行してしまうので。