2012年のアメリカ合衆国大統領選挙で使われた「マイ バラク オバマ・ドットコム」の事例を本日はご紹介いたします。
※出典元 http://lifehacker.hatenablog.com/entry/2013/02/16/012042 より
■facebook共同創始者も参画
2012年米大統領選において、選挙活動支援に際し、立ち上げられたSNSを活用したサイトで、
facebookの共同創始者の一人クリス・ヒューズがディレクターを務めました。
■レベルデザインされた様々なミッション
ゲーミフィケーションにおいて、プレイヤーに明確な目標を明示して、目標達成を促すミッションの手法は良く活用される手段です。
マイバラクオバマ・ドットコムにおいても、このミッションの機能が活用されました。
また、下記の記事によるとミッションの難易度についても、適切なレベルデザインが設計されていたといえるでしょう。
以下引用
支持者がサイトに登録をすると、選挙本部からのミッションが提示される。最初はメールで友人を誘うなど簡単なミッションが選択肢に並ぶ。クリアするごとに 内容は高度になり、その都度ポイントも加算されていく。さらにソーシャルゲームさながらに、州単位で4日間に30万人に電話をかけようなどとユーザー参加 型のイベントも発生する。一人ひとりの行動が、次第に大きなムーブメントとなり、小口ネット献金だけで5億ドルもの資金を調達、米国初の黒人大統領を生み出す原動力となった。
https://www.salesforce.com/jp/blog/2012/11/vol2-be-social-gamification.html
■献金キャンペーン
マイバラクオバマ・ドットコムには、成長を可視化するレベルアップの要素も備わっていました。
さまざまなミッションを達成すると、達成に応じてレベルが上がっていくのです。
・登録、個人情報の入力
・友達を誘う電子メールを送信する
・電話誘致
・48時間以内に25ドルの献金を求めるキャンペーン
などの様々なミッションが存在しますが、中でも「わたしの資金集め」という施策は強烈で、これは自分の献金履歴を確認するためのものではなく、「わたし」が知り合いに献金を呼びかけるためのページで、自分の目標額に対しての進捗率、そして何人からお金を集めたかがグラフとしてわかりやすく図示されるとのことです。
要するに、以下のサイクルがうまく機能し、結果集金につながったとも言えます。
―――――――――
LVをあげたい
↓
知り合いに献金してもらう必要がある
↓
知り合いにオバマ氏のPRをする。(献金を促す)
↓
結果、オバマ氏への献金につながる
―――――――――
これらが、ネット献金の調達金額に大きく関わっていたと考えると、あらためてすごい施策だったと考えさせられます。
マイバラクオバマ・ドットコムにおけるポイントをまとめると下記となります。
・POINT1:さまざまな選挙支援活動をミッションとしてユーザーに明示した
・POINT2:ミッションの難易度は適切にレベルデザインされ、ミッションの達成感を得ながらより難易度の高いミッションに挑戦させた
・POINT3:レベルアップの機能でユーザーごとの貢献度が可視化され、さらに加熱した
本事例では、LVを上げたいがために不正を行うユーザーもいたとのことで、
「オバマ氏の大統領選勝利」から、「マイバラクオバマ・ドットコム内において誰よりもLVをあげたい」と心境が変化したのか、もしくは「オバマ氏の大統領選勝利に自分が一番貢献した」という思いに浸りたいと思っての行動だったのかもしれません。
このように、ゲーミフィケーションには本来のゴールすらもすり替えてしまうほど、人の感情に影響を与える仕組みが備わっているといえるのではないでしょうか。