新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、さまざまな業種においてDX化が加速しており、「VR」(仮想現実)や「AR」(拡張現実)にも、より注目が集まっている状況ですが、コロナ禍が起きる前から、VR上ではオンライン展示会や音楽ライブなど様々なイベントやコンテンツが提供されていました。
2019年に公開された、「ジェネリッQ」はそのような中でも斬新なコンテンツでした。
今回はゲーミフィケーションを活用し、VR動画で製薬の工場見学ができる「ジェネリッQ」をご紹介します。
ジェネリッQ

[掲載元:https://www.youtube.com/watch?v=pmUyZ4g1kz0]
■RPGゲームのような工場見学
「ジェネリッQ」は株式会社カヤックにより企画・制作されたジェネリック医薬品製造販売の大手、沢井製薬株式会社の工場内をVR動画で見学できるYouTube動画コンテンツです。安価で高品質な沢井製薬のジェネリック医薬品「サワイジェネリック」を一般の方により知っていただくことを目的に、公開されたとのことです。
動画は工場の外から始まり、沢井製薬の公式キャラクター「ジェネちゃん(R)」と一緒にクイズを解きながら工場内を見学し、6つの秘密を探し出すRPGゲーム風の動画となっています。
「ジェネリッQ」の”Q”はクイズ(Quiz)から来ているのですね。
動画内のフォントやキャラクターデザインもドット絵で作られており、レトロ感のあるRPGゲームの雰囲気を感じられます。
[出典元:https://www.youtube.com/watch?v=pmUyZ4g1kz0]
■沢井製薬の従業員が演者として出演
動画撮影は2013年3月に建設された135,857m2(東京ドーム約3個分)の関東工場で行われました。従業員数は約500名在籍しており、30名以上の方に撮影協力いただき、演者としても出演されています。
工場では薬品を製造するため徹底された清潔さを保つ必要があります。その中でVR動画は360°撮影が必要となるため、画面に映り込まないように床に手をつけずに隠れたりする作業が大変で、作業着を8回も着替えたそうです。
■勇者となって薬を探す冒険
動画コンテンツの中には、いくつかのゲーミフィケーションとしての要素が含まれています。
・勇者となって薬を探す冒険というストーリー
ただ工場内部の動画を流すのではなく、RPGゲーム風のストーリー形式にしている事が一つ目のポイントです。
ストーリーは、ある日物語の主人公となる勇者が王様に呼びだされ、病を治す薬「サワイジェネリック」を探してきてくれと依頼を受けます。ジェネちゃんと一緒に6つの秘密を解き明かす冒険が始まるというものです。
ドット絵の雰囲気にとてもマッチし、レトロRPGゲームの世界観がより際立っています。
なお、動画内の楽曲は、作曲家・永井カイル氏が制作・担当されています。
・クイズ形式のミッション
動画が進むと、6つのクイズが出題されます。
これによりユーザーは問題を解決したいという欲求が生まれ、ゲームに熱中しやすくなります。
・360°の空間で「秘密を探す」インタラクティブ性
動画コンテンツは通常ただ見るだけですが、そこに「秘密を探す」というインタラクティブ性を持たせたことが特筆すべきポイントの一つです。
工場内部に入る入口の秘密や、1時間で作られる薬の数など、工場見学を360°のVR空間上で体験をしながら、秘密探しを楽しむことができます
・POINT1:勇者となって薬を探す冒険というストーリー
・POINT2:クイズ形式のミッション
・POINT3:360°の空間で「秘密を探す」インタラクティブ性
■まとめ
工場見学は様々な企業に取り入れられ、子供はもちろん、大人にも大人気です。
沢井製薬と面白法人カヤックが工場見学にゲーミフィケーションを取り入れたこの動画では、YouTube上で視聴できるため、家の中から、沢井製薬のクリーンな環境と最新設備を整えた万全の生産体制を360°ゲーム感覚で見学することができます。
筆者もこの動画から、徹底された環境設備で製造されたことを実感でき、改めて安心感を持つことができました。
気になる物語の結末は意外で展開となっており、面白い内容でした。是非一度体験してみてください!
◆VR動画「ジェネリッQ~工場で6つの秘密を探せ~」はこちら
庄野 響
印刷会社のグラフィックデザイナーとして勤務後、オルトプラスに入社。 紙媒体からWebまで幅広い領域のゲーミフィケーションに関わるデザイン・コーディング業務を担当。 現在はエンジニアへのジョブチェンジを目指して勉強中。