コロナ禍でなかなか外出が出来ない昨今。
とはいえ、やはりずっと家にいるとなかなかストレスが発散できないですよね。
そんな時私は、良くドライブに出かけます。
車の移動であれば安心ですし、目的地も屋外の川や公園や海などであればリスクは低く、何よりも気分転換になります。
本日は、自動車業界においてゲーミフィケーションが活用されている事例をご紹介いたします。
ポータブルスマイリングロード
■保険会社が作ったカーナビアプリ
「ポータブルスマイリングロード」(以下:PSR)は、損保ジャパンが2016年10月より一般提供を開始した、いつものドライブをより楽しく安全にするための機能も盛り込まれた、無料で利用できる安全運転支援カーナビアプリです。
主に下記のような特徴があります。
・高機能のカーナビ
・最新の地図やスポット情報の自動アップデート
・渋滞情報の表示や渋滞回避ルートの案内
・安全ルート案内
・運転技術診断
・貯まったマイル(ポイント)を利用したプレゼント応募
出典元:「ポータブルスマイリングロード」アプリ内画面
損保ジャパンが提供する自動車保険の加入者には、さらに便利な機能もあるようです。
スマホでナビゲーションのアプリは沢山ありますが、「安全」に関する機能が多く備わっていることが、保険会社が提供するアプリならではの特徴になっていると思います。
■”便利”と”ゲーミフィケーション”はアプローチが違う
上述の通り、「安全」「安心」「便利」な機能が沢山備わっているアプリですが、今回はゲーミフィケーションの要素にフォーカスしたいと思います。
”便利”である事と”ゲーミフィケーション”は用途が異なります。
”便利”はいつもより利用しやすく都合のよいものの事を指して使われますが、
”ゲーミフィケーション”は、ユーザーの感情や欲求にアプローチする事なのです。
つまり、利用する事により、いつもより楽しくなったり、やる気が出たり、幸福感を感じる仕組みが、ゲーミフィケーションの特色と言えます。
■欲求を高めるゲーミフィケーション要素
では、PSRには、どういう部分にゲーミフィケーションの要素が含まれているでしょうか。
ゲーミフィケーションの要素をピックアップしてみます。
・POINT1:運転診断のスコアによる評価の可視化
運転傾向や運転ログをグラフなどのスコアで可視化する事で、自分の良い行動に対しての評価が分かりやすく実感できる為、また良い行動をしたいという意識が生まれる
・POINT2:マイル(ポイント)でのメリットの実感
ポイントが貯まるとプレゼントに応募することができる仕組みにより、フィードバックと外的報酬を結びつけられる為、直接的なメリットを実感しやすくモチベーションが上がる
・POINT3:メダルによる貯蔵欲求の醸成
:メダルというコレクションの要素で貯蔵欲求が満たされ、もっと集めたいという欲求が高まる
・POINT4:ランキングによるモチベーションの向上
その名の通り、ランキング要素により競争欲求が刺激され、「自分の位置」を把握させて上に上がりたいという意欲を向上させる事が出来る
・POINT5:安全運転割引チャレンジ機能による外的報酬によるメリットの実感
スコアによって保険料が安くなるという訴求力の強い外的報酬と結び付けられる事で、他アプリにはない安全運転へのモチベーションが生まれる
このように、上記に挙げている機能はすべて、欲求にアプローチしているものであることがお分かりになるかと思います。
「安全運転」は、誰もが当たり前のように意識し、実践しているものではありますが、時に油断をしてしまうものです。
この場所なら大丈夫だろう、こういう運転をしても平気だろう、誰にも迷惑をかけないし良いだろう、と。
PSRでは、常に安全な運転をする事に対して、ちゃんとフィードバックを返してくれるので、上記のような油断をせずに、常に安全運転をしようという気持ちにさせてくれるのだと思います。
このアプリで、日本の事故発生数が少しでも減る事を願っています。
・ポータブルスマイリングロード