▲AR花火が打ち上がる背景には、諏訪湖の風景写真を採用
離れることで、見えたもの。
帰っておいで。
遊びに行こう。
会いたいな。
当たり前に交わしていた言葉たちも
なかなか口に出せない、今。
離れてしまった距離は、どうすることもできないけれど。
会えないぶん、おもうことはできる。
気づかなかった大切さを、かみしめることはできる。
次に会える日を楽しみに、明日を生きることができる。
大きな花火が、
離れて見たときに
はっと美しく感じられるように。
離れることで見えたものが、この夏
私たちを少し強くしてくれるはずだ。
- 「実験ARおうち花火大会」 の楽しみ方
手元に新聞がない方も、公式サイト(https://shinmai-ar-hanabi.com)にアクセスし、
スクリーンに表示された画像をスマホで読み込むことで、楽しむことができます。
- 花火に込める思いと、コロナ禍での前向きな取り組み
■花火に込めた「台風にもコロナにも負けない」 / 長野県内の花火大会関係者の男性(52歳)
千曲市の戸倉上山田温泉では毎年8月7日、千曲川納涼煙火大会を開いてきました。昨年90回目を迎え、観光客も含め約6万人が楽しみにしている歴史ある大会です。昨年10月の台風19号の後は、実際には観光客を迎えられる状態であっても訪れる人が激減し、そこに新型コロナが追い打ちをかけました。今年の大会は台風による災害からの復興をテーマに例年よりも盛大に行いたかったのですが、開催を断念せざるを得ませんでした。
それでも今年も7日に、小規模ですが花火を打ち上げました。台風からの復興と、「新型コロナに負けない」との思いを示すためです。今年は各地で花火大会が中止になっていますが、こうした「サプライズ花火」が上げられており、花火は人々の気持ちを癒やすものなのだと改めて感じています。
温泉街を含め、市内の飲食店や旅館は今、料理のテークアウトやデリバリーに取り組んでいます。私の会社では、温泉街のおいしい食事を地元の人に届ける「温泉イーツ」の配達を担っています。厳しい状況ですが、地元で力を合わせて、なんとかできることをやっていくしかないと思っています。
■花火で気持ちも上向きにできたら / 長野県内の花火師の男性(36歳)
例年は飯田市の「水神橋納涼花火大会」や「飯田時又灯ろう流し」、諏訪市の「諏訪湖祭湖上花火大会」などの大会や行事で上げる花火の準備で忙しい時季ですが、今年は9月ごろまで、例年通りに開催される花火大会や奉納煙火がない状況です。花火が打ち上がるとなれば人が集まり、密集を避けるのが難しくなるので、今はどうしようもないのだと受け止めています。
そうした状況ですが、6月には新型コロナの終息を祈って全国の花火業者が一斉に花火を上げた「Cheer up!(チアアップ)花火プロジェクト」に参加し、飯田市立病院の近くで打ち上げました。ハート型や笑顔のマーク、医療従事者の皆さんへの感謝を表す青色の花火などを用意し、「頑張れ」との思いを込めました。飯田市の夏祭り「飯田りんごん」が開催される予定だった8月8日にも、サプライズで花火を打ち上げました。
今年は事前にあまりお知らせができないので、家の軒先やベランダからの観覧になってしまうと思います。ですが、花火は上を向いて見るもの。暗いニュースばかりですが、少しでも気持ちも上向きに、晴れやかになってもらえたらいいなと思っています。
- 「実験ARおうち花火大会」に込めた思い
今、日本中で多くの方が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのことを我慢しています。帰省や旅行だけでなく、日常のささやかな楽しみさえも…。このように今までの当たり前がなくなってしまった生活の中で、改めてその価値を実感したものが、たくさんあります。夏の風物詩である花火大会もその一つです。
このたび企画した「実験 ARおうち花火大会」は、残念ながら中止となってしまった多くの花火大会の代わりとしてではなく、新しい生活様式や働き方が求められるNew Normal時代におけるイベントの新たな楽しみ方を感じていただける紙面にしたいと考えております。
花火は古くから、神様への感謝と願いを込めた神社の祭りで盛んに奉納されてきました。人々は、さまざまな祈りを花火に託してきたようです。新型コロナが流行している今年もまた、感染症の終息を願ったり、医療関係者を応援したりする花火が各地で打ち上げられています。花火は私たちにとって娯楽であるだけでなく、そこに祈りを込めることで、再び前を向いて歩く力を与えてくれる存在だと信じています。
本物の花火ではありませんが、この紙面が少しでも多くの方が前を向くきっかけに、そしてこれまで気づかなかった何気ない日常の尊さに思いを寄せる時間にしていただきたいと願っております。
- 信濃毎日新聞社について
正確に 迅速に 世界の動きと地域の話題を届けます
間もなく創刊150年を迎える信濃毎日新聞の歴史を支えてきたのが、きめ細かい取材網です。長野県内外23支社・支局を拠点に身近なニュースや話題を報道。1998年の長野冬季五輪、長野冬季パラリンピック、さらに2005年のスペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会の開催によって、「ナガノ」は世界的にも知られるようになりました。県内に限らず国内外のニュースに敏感に反応する紙面に期待が集まっています。世界から国内、地域で起きたさまざまな事象を検証することで、私たちのあすを読者と一緒に考える新聞が信毎(しんまい)です。
広告局の取り組み
新聞広告ならではの特性と機能を活用したアイデアを提案。常に“旬で新鮮な情報”を広告主と共に発信しています。全国の新聞社を対象に優れた広告企画や広告活動を表彰する日本新聞協会の「新聞広告賞」(新聞社企画部門)を数多く受賞。新しい新聞広告の可能性にも挑戦し、広告のバリエーションを広げています。
新型コロナウイルスに関連した広告企画
これまでに、読者投稿によって「身近で頑張る人たち」を励ますメッセージ企画や、長野県トラック協会と連携し、物流関係者に感謝を伝えるメッセージ企画を実施しました。また、ラグビーなど多くのスポーツの夏合宿が中止となり大きな打撃を受けた菅平高原(長野県上田市)の支援を目的とした「Virtual Summer Camp for菅平2020」を実施中。8月7日には菅平応援特集を掲載しました。