ヘルスケア領域のゲーミフィケーションサービスをご紹介:国内編(1)

  • 2024年7月18日
  • 2024年8月1日
  • 事例

前回までにご紹介してきた「ヘルスケア×ゲーミフィケーション」のサービス・事例ですが、今回はGDXNEWSのなかから日本国内のサービス・事例をピックアップしてご紹介します。前回までの、海外のサービス・事例と国内との違いを発見できるかもしれませんね。

『みんチャレ』三日坊主防止アプリ

出典:みんチャレ ウェブサイト

『みんチャレ』は、5人1組のチームで新しい習慣を身につけるためのスマートフォンアプリです。ユーザーはチャットで励まし合いながらダイエットや運動、学習などの目標に取り組むことで三日坊主を克服し、継続的な取り組みを促進しています。
体重記録、食事改善、トレーニング、歩く、ランニング、勉強などのカテゴリーから、自分に合ったチャレンジを見つけて、参加することができます。
注目すべきポイントは、5人1組のチームを組むことで、1人で行う場合の8倍の成功率が得られている点です。
また、この『みんチャレ』は、経済産業省主催の「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2020」で優秀賞と企業賞を受賞するなど、2015年にリリースされて以来、現在も人気のアプリとなっています。

GDXNEWS参考記事:
この夏、受験生がSNSでお互いを監視し、勉強を乗り越える! 三日坊主防止アプリ みんチャレ「夏の習慣化応援キャンペーン」を開始!(2021年7月16日リリース)

『はみがき勇者』苦手な歯磨きを楽しくするゲームアプリ

出典:はみがき勇者 ウェブサイト

『はみがき勇者』は、苦手な子供たちが多い歯磨きを楽しくするためのアプリで、ゲーム感覚で歯磨きを続けることを目的としています。

以下のように、アプリの中にゲーミフィケーション要素がふんだんに盛り込まれています。

  • ユーザーは勇者の兜をかぶった姿で表示される(アバターとなり役割を意識)
  • 制限時間のカウントが始まる(制限の中で戦う)
  • 歯磨きというアクションをすることで、敵への攻撃が開始(歯磨きが攻撃の武器になる)
  • 一定のダメージを与えると敵を討伐(達成度合いを可視化)
  • 30体の敵を倒すとドラゴン登場(更なるチャレンジの連続)
  • 敵を討伐するとコインを獲得(報酬)

このように、「やりたくなる」「やり続けたくなる」といった体験設計を行うことで、楽しみながら継続的に歯磨きを習慣化させているのです。

GDXNEWS参考記事:
毎日の歯磨きが楽しくなる!「はみがき勇者」のゲーミフィケーション活用事例(2020年10月9日リリース)

『FITNESS MONSTERS』運動不足解消をめざしたフィットネスゲームアプリ

出典:FITNESS MONSTERS ウェブサイト

『FITNESS MONSTERS』は、自分自身の運動不足を解消し、健康づくりを楽しむことができるフィットネスゲームアプリです。ユーザーはモンスターを育てながら運動を継続する仕組みです。
モーションキャプチャ技術を活用して運動量を測定し、アプリ内のモンスター成長に反映させています。運動量に応じた経験値を獲得することでモンスターが成長し、ポイントやコインの報酬を得るなど、モンスターのカスタマイズも可能です。
ユーザー同士で競い合うランキング機能も搭載しており、X(旧Twitter)にもランキング表示するなど、モチベーション向上に繋げています。

​GDXNEWS参考記事:
いつでもどこでも、気軽に運動を楽しめるスマートフォン向けフィットネスゲームアプリ「Fitness Monsters(フィットネス・モンスターズ)」が機能拡張してアップデートリリース!(2023年10月24日リリース)

『ウンログ』国内最大級の観便・腸活アプリ

出典:ウンログ ウェブサイト

『ウンログ』は、うんち記録により腸内環境を整える「腸活」に役立つスマートフォンアプリです。ユーザーは、排便の際のうんち記録や食事内容を登録することで健康状態をチェックでき、スコア化もされます。個人に合った腸活を発見し、腸内環境の改善に繋げます。
主な機能は、排便の記録です。かたち、色、量、におい、すっきり感をかわいいイラストから選択・登録するため、直感的に操作できます。排便だけでなく、おしっこや体重、体脂肪、気分や肌の調子、腸活に有効な食物摂取も登録できます。登録した記録はカレンダーやタイムラインに表示され、レポートにスコア化されます。
また、「ウントーーク」という投稿機能には、匿名で参加でき、ユーザーからの悩みやボヤキに、いいね!の代わりになる「うんうん!」ボタンやコメント投稿機能もあるなど、人気コンテンツとなっています。
報酬としては、記録登録やアプリ内の腸活アイテム購入、広告再生で得られるポイントをためることができ、ギフト券などに交換可能です。
楽しみながら継続を促進するゲーミフィケーション要素が盛り込まれている事例です。

GDXNEWS参考記事:
コロナ需要で腸活市場が拡大 ウンログ80万ダウンロード突破(2021年7月9日リリース)

まとめ

一般的なゲーミフィケーションは、以下の手法が挙げられます。
(引用元:セガ エックスディー>ゲーミフィケーションとは>1-1 一般的なゲーミフィケーション手法

  • ゴール(目的)
    何のために行動するのかをユーザーに提示することで目的を明確にし、行動に対する動機付けを行うこと。
  • ミッション(課題)
    ゴール(目的)にたどり着けるように、その過程で小さな課題を設定して行動を促すこと。
  • リワード(報酬)
    提示した条件をユーザーが達成した場合に提供する報酬全般を指します。報酬を設定することでモチベーションを向上させることができます。
  • ビジュアライズ(可視化)
    ミッションや目標に対する自身の位置づけを可視化すること。バッジや称号、レベルやスコアなど。
  • コミュニケーション(交流)
    掲示板やSNSなどを通じて、自身の成長度合いの把握や競争によってモチベーションを高めること。

今回ご紹介したサービス・事例にも、これらの手法がうまく活用されているのではないでしょうか?

また、海外と日本とのゲーミフィケーションを取り入れたサービス内容の違いを挙げてみます。

  1. 文化的背景の違い:日本では、集団主義や協調性が重視される傾向があり、チームワークやコミュニティ活動を促進するゲーミフィケーションが多く見られます。対照的に、海外では個人の成長や達成感を重視するケースが多く見られます。
  2. テクノロジーの活用の違い:日本はアニメやゲーム文化が根付いており、これらを活用したゲーミフィケーションが積極的に取り入れられています。
  3. アプローチの違い:日本の消費者はポイントシステムやスタンプカードに親しんでおり、これを活用したロイヤルティプログラムが多く見られます。

例えばこれらの違いから、各国の文化や市場特性に応じたアプローチが求められることが見えてくるのではないでしょうか。

今回は、日本国内でスマートフォンのアプリケーションを利用した、「ヘルスケア×ゲーミフィケーション」活用サービス・事例をご紹介しました。


今回はここまでになります。
お付き合いいただきありがとうございました。