ゲーミフィケーションカオスマップ編集委員会事務局の担当者視点から見たゲーミフィケーション市場とカオスマップの活用について

  • 2023年10月6日
  • 2023年10月23日

昨年、株式会社セガ エックスディーは、ゲーミフィケーションカオスマップ編集委員会(以下:本委員会)を組織し、その運営事務局として『国内ゲーミフィケーション業界カオスマップ 2022年度版』を本委員会活動にて制作、公開しました。そして、今年も『国内ゲーミフィケーション業界カオスマップ 2023年度版』(以下:本カオスマップ)として編纂しなおして、公開させていただきました。本コラムは、本委員会の運営事務局主担当として携わったセガ エックスディー社員の個人考察であることをご留意の上、ご覧ください。

国内ゲーミフィケーション事業者198社をまとめた 『 国内ゲーミフィケーション業界カオスマップ 2023年度版 』を公開|ニュース|株式会社セガ エックスディー|世界をよくする、衝動をつくろう。 (segaxd.co.jp)

昨年と今年の当カオスマップの比較から見えてくる国内ゲーミフィケーション市場の成長性

世界のゲーミフィケーション市場は、2022年には160.6億米ドルの市場価値から、2030年までに1,007.7億米ドルに達すると推定され、2022年から2030年の期間中に130%の年平均成長率で成長すると予想されています。(SDKI_ゲーミフィケーション市場概況
当委員会で掲載した国内向けにゲーミフィケーションサービスを展開する企業数は2023年度198社(前年比105%)であり、日本でも急速かつ着実に成長を進めています。
全てのジャンルで掲載企業数が増加する中、特に「 to C 」「 B to B to C 」向けの企業数が26社(前年比128%)増加し、さらに詳細な区分では「生涯学習」に関連する企業が最も増えています。<図1>

それでは、「生涯学習」を一例に見てみましょう。コロナ禍以降オンライン教育・Eラーニングが急速に普及しました。<図2>

報酬・競争等の要素が学習モチベーションの維持・向上に寄与し、教育とゲーミフィケーションの高い親和性が、ニューノーマル時代の学習サービスにゲーミフィケーションが採用された結果、増加(前年調査+11社)したと考えられます。その他の多くの分野でも<図1>のとおりゲーミフィケーションが導入され、国内市場における成長性の高さが伺えます。

<図1> ※カテゴリ毎の企業数にてカウント(A区分とB区分に同じ会社がある場合、区分毎にカウント)

<図2> 矢野経済研究所、国内eラーニング市場の調査結果2023年版を発表 – こどもとIT (impress.co.jp)

ゲーミフィケーションとDXの親和性にみる海外ビジネスにおける機会

<図1>の前年から顕著に増加したカテゴリに、「ヘルスケア」「防災」「教育(学校・幼児・生涯)」があります。このカテゴリに属する企業の事業展開を見るとDXに関連したゲーミフィケーションサービスが多くを占めており、DXとゲーミフィケーションには深い親和性があると考察できます。(当カオスマップのロゴをクリックすると企業のHPに遷移できますので、ぜひ各社の事業内容をご覧ください。)

昨年度、早稲田大学から世界デジタル政府ランキング2022年度版が公開されました。<図3>ゲーミフィケーションとDXの親和性が高い仮説を踏まえると、ゲーミフィケーションと当ランキング上位国の親和性は高い可能性があります。
当ランキング上位国への事業展開をご検討の方は、ゲーミフィケーションを1つの武器と捉えて展開計画を見直してみるのも、一つの手かもしれません。 (海外のゲーミフィケーション事業者数、実際の親和性は調査しておらず、あくまでもわたしの推論です。一考察としてご理解ください。)

<図3> 世界デジタル政府ランキング2022 – 早稲田大学 (waseda.jp)

対話型AIを使用したゲーミフィケーションカオスマップの活用方法について

ゲーミフィケーションに興味を持ったものの、導入案が思い浮かばない、相談相手が分からない方は多いと思います。そこで、よりゲーミフィケーションを身近に感じていただくために、本カオスマップとあわせて「【対話型AI用】ゲーミフィケーション活用アイデア量産コマンド」<図4>を公開させていただきました。フォーマットに自社の事業・サービスを記載して、対話型AIに入力するだけでゲーミフィケーションを取り入れた事業アイデアをアウトプットしてくれます。

気になるアイデアがあった場合は、対話型AIからの返答に「区分け※1」を確認することで、当カオスマップの掲載企業から、問合せ先の候補を絞ることができます。
今年度から企業ロゴをクリックすることで該当企業のホームページにも遷移できるようにしました。ぜひご活用ください。

※1 (例)B to Bソリューション(体験型研修)・B to C , B to B to C(ヘルスケア) 等

<図4>

セミナーのご紹介

さらに詳しくゲーミフィケーション市場やカオスマップの制作背景などを知りたい方向けに、ウェビナーもご用意しています(「【対話型AI用】ゲーミフィケーション活用アイデア量産コマンド」の説明もあります)。ついやってしまう仕掛けである「ゲーミフィケーション」にご興味の方は、ぜひご参加ください。

【ウェビナー申し込みURL】
https://peatix.com/event/3708682/view

<図5>

いかがでしたでしょうか。
今後も本委員会事務局の担当者として、「ゲーミフィケーション」の認知拡大や可能性を、企業や自治体の方に知っていただくことを目指して頑張っていきます!本委員会メンバーともどもよろしくお願いします。

本委員会メンバー(氏名の五十音順、敬称略、メンバー間の役職なし)

株式会社セガ エックスディー執行役員CSO片山 智弘
一般社団法人日本ゲーミフィケーション協会代表理事岸本 好弘
株式会社ゲーム・フォー・イット代表取締役社長後藤 誠
conecuri合同会社代表社員高橋 龍征
エーテンラボ株式会社代表取締役 CEO長坂 剛
株式会社遭遇設計代表取締役社長広瀬 眞之介
株式会社インターラクト代表取締役平林 久和

委員会事務局:株式会社セガ エックスディー