わたし達の暮らす世界は、さまざまな社会問題を抱えています。
例えば、「ゴミのポイ捨て問題」は、都心でも、観光地でも、悩ましい問題のひとつです。
せっかくのおしゃれな高層ビルが建ち並ぶ街も、海辺のリゾート地も、あちらこちらにゴミが散らばっていては台無しですよね。
今回そんな「ゴミのポイ捨て問題」に取り組んだゲーミフィケーション事例を、ご紹介したいと思います。
出典元:https://www.foodbev.com/news/coca-cola-to-encourage-recycling-with-new-world-cup-games/ より
■ゴミ問題 × ゲーミフィケーション
1500万人が暮らすバングラデシュの首都ダッカ。その路上に現れた、真っ赤なコカ・コーラ自動販売機のようなマシーン。よくよく近づいてみると、実はこちら、アーケードゲームのようです。
通常のアーケードゲームのようにコインを入れてプレイしようとコイン挿入口を探しても、マシーンにあるのはペットボトルの形をした入り口のみ。そこには「プレイするにはペットボトルを入れてください」と記載されています。
当時、深刻なゴミ問題を抱えていたダッカ。社会課題の解決を、ゲーミフィケーションで解決しようと、コカ・コーラとGreyDhakaの共同開発によって実現したのがこの不思議なマシーンの正体「Happiness Arcade」です。
コカ・コーラのペットボトルをマシーンに入れることで、卓球のようなゲームをプレイすることができるため、ゴミを捨てる事が楽しくなるような仕掛けになっています。
■ゲーミフィケーションの力で、世界中をキレイに
「Happiness Arcade」の仕組みはシンプルで、コインの代わりにペットボトルを投入するだけで、卓球のようなゲームをプレイできるというもの。
ちょっとしたゲーム性を取り入れるだけで、上述の通り、めざましい成果をあげる事に成功しています。
ゲーミフィケーションとは、課題解決における有用な手法の一つです。
開発期間に多大な工数がかかるゲームを作り込まずとも、少しの工夫で課題を解決する事も可能であるという、良い事例の一つだと思います。
要素を分解し、小さくシンプルな仕組みから取り入れることもできる汎用性の高さも、ゲーミフィケーションの強みです。
マシーンは6日間に分けてダッカの6つの地域に設置。このたった6日間で、数千本のペットボトルが集まったそうです。この数千本のペットボトルの中に、「Happiness Arcade」がなければポイ捨てされていたかもしれないペットボトルも少なからず存在したでしょう。
ゲーミフィケーションは、社会課題をも解決する事ができるのです。
「Happiness Arcade」はバングラデシュの首都ダッカで実施された取り組みですが、この実績を鑑みるに、このマシーンを活用すれば、世界のどの街でもゴミ問題を解決する事ができるのではないでしょうか。実際に、他の国でも導入が検討されていたようです。
ゲーミフィケーションを活用して、世界中の社会課題を解決できる未来はそう遠くないでしょう。
改めて、「Happiness Arcade」におけるゲーミフィケーションのポイントをまとめると下記となります。
・POINT1:ペットボトルをゴミ箱に捨てると参加権利を得られるという仕組みで、良い行動に誘導した
・POINT2:参加権利を得る事でゲームをプレイできる為、遊びたい欲求が高まり行動が加熱
・POINT3:自分の行動の結果、世の中がキレイになるという社会的貢献という報酬も得られる
このように、ゲーミフィケーションの力で解決できる課題は地球全体に潜んでいます。
あなたの考える課題、それはあなた個人の課題でも、社会全体の課題でも、ゲーミフィケーションの力で解決する事ができるかもしれません。