今では、決して珍しくはない通販サイト内でのキャンペーンですが、2017年に「SHEL’TTER WEB STORE」にてはじめて施策を行った際の事例をご紹介いたします。
※出典元 https://twitter.com/shelttervc/status/911065223041130496/photo/1 より
■売上140%の実績
女性向けアパレルメーカーの株式会社バロックジャパンリミテッドが運営する「SHEL’TTER WEB STORE」内にて行われた施策です。
サイト内に訪れると、ルーレットが回り、500円~3000円のクーポンが取得できるという内容です。
ある記事によると、1日の売上が通常比140%になったとのことです。
(出典:https://cxclip.karte.io/practice/gamification/)
■クーポンの利用期限は当日まで
3,000円、2,000円、1,000円×2,500円×2の6つの的があるルーレットが回り、外れはなし。
取得したクーポンコードを商品購入の際に入力すると、その金額分が割り引かれるというものです。
そして、クーポンの利用期限は当日までというのが特徴です。
■乱立するポイント付与施策
同施策は2017年に実施されていたものですが、
2019年時も同様の施策を行われているところを見ると、継続して一定の効果を出しているように
思います。(期間は一週間)
https://www.ec-store.net/campaign/special/event/191025coupon/index.html
楽天などのネットショッピングや、近年では電子マネーの覇権争いなどによって、ポイント付与キャンペーンが乱立しております。筆者も複数のサービスを利用しておりますが、ポイントを失効した経験も数多くあります。
・ポイント使用期限が長いものもあれば、短いものもある
・ポイント付与タイミングが購入時で反映されず、その場で気づかないことがある。
以上の点から、日常使うサービスでない場合(今回のファッション通販など)はポイントを後日付与しても
気づかれず、期限が過ぎ、購買機会の損失につながる可能性が高いように思います。
本事例のポイントは以下です。
・POINT1:サイト内に訪れた際にチャレンジしたいと思わせるルーレットを用意
ルーレットは、的に結果が明示されている為、目標を明確に理解できます。
人は、目標が明確であればあるほど、チャレンジしたいという欲求が高まる為、ルーレットというユーザーインターフェースを活用する事は非常に有効な手段といえます。
・POINT2:参加したフィードバックとしてその場でクーポンを発行
ルーレットを回した結果は即時に分かり、クーポンという形で恩恵を得る事が出来ます。
即時にフィードバックがある事で、自分の関心が高いうちに、行動が良かったのか悪かったのかが分かる為、より結果に対して満足度が高くなります。
・POINT3:クーポン期限を短期にする事で購買機会は『今』だと思わせる
「クーポンを獲得するまでの労力や時間」に対して、それを無駄にしたくないという心理が働く為、結果として「せっかくクーポンを手に入れたので今すぐ利用したい」と思わせる事が出来たのだと思います。
今回の事例はサイトに訪れた全ユーザー向けのキャンペーンで売上アップの効果があったものですが、特にファッションサイトはユーザー自身が購買意欲があるタイミングで訪れるため、個々に対して個別のキャンペーンを打ち出すことで、さらなる売上アップが見込めるのではないかという事も、本記事執筆時に同時に考えさせられました。