最近、顕著に運動不足を感じていました。
そこで、とある動画に辿り着きました。
「ラジオ体操第一」
小学生の時以来のラジオ体操です。
「腕を前から上にあげて 大きく背伸びの運動~! はい!」
そして、ラジオ体操の最後の深呼吸の時にゼーゼーと息切れしている我が身に衝撃が走りました。
小学生の時に「こんなの運動にならない」「つまらない」と感じていたラジオ体操が、30代後半の運動不足の体には、ここまでハードに感じるとは思っても見ませんでした。。
本題に戻りますが、今回は、夏休みのラジオ体操が立派なゲーミフィケーションだったという件についてお話します。
■1930年に始まった
皆様、このようなスタンプカードはご存じでしょうか?
そうです。
夏休みのラジオ体操のスタンプです。
大人の方なら多くの方をこのスタンプをぶら下げて、早朝にラジオ体操に向かったのではないでしょうか。
ラジオ体操の歴史についても触れておきます。
Wikipediaによると、
「日本人の体格向上のため、老若男女を問わず、誰でも簡単にできる体操を」という目的で発案され、NHKラジオで1928年に初めてラジオ体操が放送されたことによって始まったようです。
夏休みのラジオ体操が普及したのは、1930年に神田万世橋署の面高巡査が、子供達が夏休みを楽しく過ごせるようにと千代田区神田佐久間町の佐久間公園で「早起きラジオ体操会」を実施したことが起源と言われています
■ラジオ体操における3つのゲーミフィケーション
改めて、ラジオ体操におけるゲーミフィケーションについて見ていきましょう。
主に3つの要素があると言えます。
・POINT1:目標の設定
まず、全員に夏休みのスタンプカードが配布されます。
そのスタンプカードには、最終日までに何日間のスタンプが押せるのかが可視化されています。そこで参加対象者は夏休み中の全日程の制覇を目標にするのです。
・POINT2:スタンプで行動に対してのフィードバックの可視化
ラジオ体操に来ると、最後にスタンプを1個押してもらいます。
このフィードバックが明日も参加しようという気持ちにさせてくれるのです。
このスタンプの仕組みは、現在のソーシャルゲームでも見たことがあるのではないでしょうか。
そうです。ログインボーナスのスタンプがまさに一緒ですよね。
出典元:結城友奈は勇者である 花結いのきらめき アプリ内画面より
・POINT3:最終日に自分の行動結果に応じた報酬配布
日々の参加の積み重ねを経て、最終日にはご褒美がもらえます。
ここは、地域によっても違うかもしれませんが、筆者がラジオ体操に参加していた時は、最終日にラジオ体操に参加した人全員におやつが配られていました。
そして、毎日欠かさずにラジオ体操をした人は皆勤賞の表彰状が貰えました。
中には、最終日におやつを貰える事を知っていてか、最終日だけ参加する人も沢山いたように思います。
筆者はというと、割と真面目に毎日欠かさず参加し、何度か皆勤賞も貰う事が出来ました。
■ラジオ体操はもっと参加率を上げられる
せっかくなので、どのような仕組みを導入したら、ラジオ体操の参加率がもっと増えるのかについても少し考えてみたいと思います。
①ショートサイクルでの報酬設計
前述のように、最終日に報酬が貰える事、皆勤賞で表彰されるという要素はあるにしても、毎日の達成感が低いと思っています。5回目、10回目のスタンプ等を達成したときに報酬が貰えると、参加するモチベーションがさらに高める事が出来ると思います。
②参加率ランキングの張り出し
ラジオ体操の参加は自分との闘いになりがちですが、自分の参加率が全体で何位なのかが分かると他のお友達との競争心が生まれます。
意欲の高いメンバーは○○君に負けるもんかと、参加意欲が上がるのではと思います。
その他にも、毎日のスタンプカードが一枚絵の塗り絵のようになっていて、毎日来るたびに特定のブロックに色がついていくとか、「ラジオ体操をすると頭が良くなる」という運動による脳の活性化に紐付けて子供に対して分かりやすいインセンティブを提示するとかも効果があるかもしれません。
ゲーミフィケーションは、心理学や行動経済学とも非常に密接に紐ついています。
つまり、いわゆるテレビゲームなどがない時代に、どうやったら子供がラジオ体操に参加したくなるかを考えた結果、このような手法となり、結果として現在のソーシャルゲーム等も同じような手法を辿って行ったのだと思います。
運動不足になりやすい環境の中で、大人の方々も是非、ラジオ対応を毎日の習慣に取り入れられてみてはいかがでしょうか。